それは1カ月ほど前の日曜日。末の娘とお風呂に入ったときのことです。
「Aちゃん(娘の名前)シャンプーしてやるからここへ座って」と言いますと娘が
「それに座る〜」
と、私が座っていたお風呂用のプラスチックの椅子を指さすのです。
「子供はいいの。そこにペタンと座んなさい」
「やだー。それに座る〜」
そこで私は(しかたないなー)と思いながらそのプラ椅子を娘に譲って、自分は、この間DIYの店の開店でもらった粗品の真ピンクの、見るからにチャチな洗面器をふせ、深く考えもせずにドッカリと座ったのです。と、その時、「バキッ」とすっごい音が我が家の狭い風呂場に鳴り響きました。
そうです。安物のプラ洗面器にひびが入ったのです。私は慌てて立ち上がりました。それがよくなかった。(あえて書きますがなにを隠そう、私は裸です)何と私の右のおしりのお肉を洗面器の割れ目が噛んでくっついてきたのです。その痛いの何のって「ゲー」・・・絶句。
「あれー、おしりにくっついてるー、あははー」と娘。
(何を言うか、おまえのせいで)と思いながらも、ここで父親の威厳を示さなくてはと痛いの我慢して洗面器と我が臀部の剥離作業を行ったのですが、これがどうしてはがれない。無理に引っ張るとイテェー!
ここで落ち着いて1秒ほど考えた私、発明家を自認する百舌花です。
(そうか、元の状態に戻せばいいんだ。ゆっくり座り直せば洗面器の割れ目が開くから、そしたら素早く離れればいいんだ)
即、実行、もう痛くて一刻の猶予も出来ない状態。ゆっくり洗面器をおしりで押し付けるように座ると、シメシメ割れ目が(洗面器のだよ!)開いてきた、そして素早く立ち上がると、
「ぎゃー!」←これ私の悲鳴。
「あれー、まだくっついてるー、あははぁー」←これ娘の台詞。
(あのなー、おまえがねー)と言ってもわかる歳じゃない。(この時、娘6歳)にっくき洗面器の奴が、またも我がいとしの臀部のさっきの場所の5ミリほど横に噛みついてる。もう父親の威厳も何もあったもんじゃない。
悲鳴をあげながら、またゆっくり座り直して、おしりをふせた洗面器に押し付けひび割れの開いた状態を保ちながら洗面器とおしりの間に両の手のひらを滑り込ませて、洗面器の底を押さえてそっとおしり持ち上げて、やっと洗面器の毒牙から逃れることが出来たのです。
洗面器の底には1筋の亀裂、手鏡で見れば我が臀部には”天下御免のむこう傷”が2すじ。風呂から上がり、妻のすり込んだメンソレータムがやけにしみるのでした。
*事件現場写真*
犯人ならぬ犯洗面器はその後、ごみ処分場へと流罪になった。
事実は小説より奇なりと申しますが、これもまた正真正銘の実話。1カ月経過してもまだ2条のむこう傷の跡がうっすらと残り当時の戦いのすさまじさを物語っております。
その後、娘がこの事件を近所にしゃべったものですから、私はうつむかずには外を歩けません。