サロンパス事件調査報告

サロンパス事件被疑者「百舌花」の供述

*** 注目!筋肉痛のおバカに警告 ***



 

サロンパス事件担当検事正 馬田鹿之介氏 記述

今般サロンパス事件の被告である、百舌花の供述の全容を裁判所の同意を得てここに公表する主要な目的は、本件の社会に与える影響の大きさとその重要性、またかかる悲惨な事件の続発の防止をも期待されるからである。
そもそも被疑者 百舌花は本件の自供を逮捕当初から頑強に拒み続けていた。しかしながら当おバカ検察庁に於いて執拗な追及を行った結果ついに屈し、昨日当検察庁第一取調室に於いて、涙ながらに全面自供し署名捺印したものである。
その犯行日時については被告の供述に曖昧な点が認められるものの、その他の内容については客観的事実と照らしておおむね真実と思料される。


供 述 調 書

本籍 そうじゃ県ゆうた市せっか区やめて町十三番地

住居            同情

      職業 株式会社 「零細」 臨時雇い    電話 番号不明のコードレス糸電話所持

      氏名  百舌花(もずはな)

                            昭和んん年んん月んん日生(いい歳)

  右の者に対するサロンパス被疑事件につき、平成ン年ン月ン日、汚罵禍高等 検察庁において、本職は、あらかじめ被疑者に対し自己の意思に反して供述をする必要がない旨を告げて取り調べたところ、任意次のとおり供述した。

一  私、百舌花はこの事件について私の知りうる全てを嘘偽りなく真実のみを包み隠さずここに申し述べます。検事さんのおっしゃるとおりこの事件は私一人の単独犯行であることは間違いありません。

二  それは3年ほど前のある夏の日、私が勤務する会社の同僚数人にボーリングに誘われたことに端を発するのでございます。

その日はたいそう暑い日でございました。同僚の一人が申しました。「今日のような日にこそ涼しいボーリング場でボーリングでもして、その後生ビールでも飲めば最高ではないだろうか。」と。
他の同僚と同様、私もその意見には少なからず魅力を感じたのは無理からぬ事ではないでしょうか。
私は決してボーリングが好きなわけではありません。その前にボーリングをしてからもう5年以上もたっていましたし、そもそも私は体を動かす関係のことは苦手であります。魅力を感じたのはその後の生ビールにありました。
仕事が済みボーリング場にでかけ、数ゲームをこなした後で飲んだ生ビールはたいそうおいしゅうございました。
しかし、その後帰宅して更に追加してビールを飲むうちにアルコールの刺激も加わり筋肉の痛みを感じはじめました。普段は使わぬ部分の筋肉を使ったためか、普段とは異なる箇所に痛みが集中していたのです。ひとつは右の二の腕、もうひとつは左の太腿の内側でした。これはどうしたものか、このままでは明日はますますひどくなることは経験的に知っております。筋肉痛は翌日が一番辛いのです。今日のうちに何とか対策を考えなければと、考察すること3分、すぐに良い考えが浮かびました。
それはまず風呂に入り筋肉を温める。次によくマッサージをする。更に風呂上がりにサロンパスを貼る。これはすばらしいアイデアと思われましたが、しかし一つ問題点もありました。腕はいいとしても、太腿の部位には、検事様もご存じのとおり、その大人の男性の大多数にはいわゆる体毛が生えているのです。この体毛の生えている部位にサロンパスを貼ることは決して違法ではないのですが、それをはがす時の 困難は筆舌に尽くし難い正に苦行なのでございます。

三  さていかがしたものかと救急箱を開けて見ますと、これはしたり、いつ買い求めたのか記憶にないほど昔に買った「エアーサロンパス」なるものがあるではありませんか。
早速痛みのある腕にシュッと吹きかけて見ますと、スッっとした冷たく心地良い刺激で効き目がまだ十分あることを物語っています。これだ、これが私の長年いや3分間探し求めていたものだ、と喜びいさみすぐに当初の計画である入浴を敢行しました。
はじめ計画は順調に進行するかのように思われました。熱い風呂につかりながら痛い部分をよーくマッサージすると痛みもだいぶ和らいだように感じられました。続いて風呂から上がり、体の水滴をバスタオルでぬぐうのもそこそこに急ぎこの計画の仕上げである「エアーサロンパス」の塗布を行いました。かねてより脱衣所に用意のその薬剤のキャップをはずし、まずは二の腕に吹きかけるとひんやりとした快感が肩のあたりまで伝わります。おー、これで計画の8割がたは成功だと気を良くした私は次の部位、つまり左の太腿にと移りました。

四  そして、ここであの忌まわしい事件が起こったのです。
力強くその薬剤のボタンを押したとたん私はギャーっと猫を踏んだような声をあげました。狙いが外れたのです。
その「エアーサロンパス」の吹出口はかなり小さく、押しボタンと同じ箇所にあってその吹き出す方向を定めるのが難しい構造になっているのです。通常の部位と異なりその場所の「エアーサロンパス」塗布には正確さが求められることに気づかない私でした。さらにその時の私は少々酔っていました。そしてボタンを押す右手は筋肉痛のため動きの悪い状態にもありました。さらにまた悪い時には悪いことが重なるもので計画を早急に遂行することのみ念頭にあって焦っていた私はパンツ着用をせぬままに「エアーサロンパス」塗布治療を行ってしまったのです。
これらの悪条件が重なり「エアーサロンパス」の悪魔の霧は当初の目的の部位を外れその、あの、なにの部分へ(この時検事補、いわゆるクレヨンしんちゃんがぞうさんを描くその部分を指差し、被告は深くうなずく。)はい、そこに直接ふりかけてしまったのです。火を吹くと言う表現で御理解頂けるでしょうか、私はギャーの後は声も出ず、近くにあったバスタオルを丸め抱えるようにして押し付けうずくまりました。
しかし、焼けるような痛みはおさまらず、よろけるように風呂場に戻り火の元に湯をかけ石鹸をことのほか多量に塗り付け、狂ったように洗い流しました。
その後、恐怖にわななく体を湯船にひたし、しばしボー然とするのでありました。

五  検事様、これが事件の顛末の真相でございます。これはいかなる罪に該当するのでございましょうか。この上はどのような罰も敢えてお受けし反省の日々を送る所存でございます。どうぞお慈悲あるお裁きをお願いいたします。

                              百舌花[百]

右のとおり録取して読み聞かせたところ誤りのないことを申し立て署名捺印した

    前同日

汚罵禍高等検察庁

             検 察 官            馬田鹿之介 (印)

             検察事務官           鹿川馬次郎 (印)


サロンパス事件担当検事正・馬田鹿之介氏・後述

   被疑者 百舌花はその後のおバカ最高裁大法廷において「重大おバカ罪」により禁固3日執行猶予30分を言い渡された。
   なお判決後、裁判長より異例の訓示がなされたので、以下に付記する。

     「国民各位はエアーサロンパスなるものを使用する際には必ずパンツ等の下ばきを着用し、吹付ける部位を十分確認し使用すること。」

                                          以上


本文の書式につきましてはAgata氏より法律家としてのご助言を賜りました。ここに謹んでお礼申し上げます。
 


おバカ事件簿へ戻る    おバカの世界メインページへ戻る