おバカの留守電

はい、百舌花です。只今あなたは電話してます

・・・アナタも今日から録音を・・・



あなたもミーハー?

  インターネット界のサッチー騒動とも呼ばれる「東芝サポート暴言事件」スゴイですねぇ。何百万ヒットのホームページのことですからほとんどの方がご存知と思いますが、敢えて経緯を書きますと・・・

 福岡の某会社員が東芝製のビデオデッキを買って再生したところ画面にノイズが出たため同社のサポートに電話をしたんだそうです。すると、あちこちたらい回しにされた挙句に最後は暴言をはかれたというのです。その人が電話で言われた暴言を録音して、事件の経緯と共にホームページで公開したものですからアクセスが殺到したんですね。50万ヒットを超えたあたりからは週刊誌や新聞、テレビといったマスコミにも取り上げられ、今では私も暴言を受けた、私も被害にあったという告発も続々あらわれ東芝のイメージダウンは計り知れません。

  私もミーハーなもので、さっそくあの話題の音声ファイルを聞きましたがスゴイもんです。ききしにまさる暴言で、東芝のような一流企業にもあんな口の悪い社員がいるとは驚きです。
  さらに私は超ミーハーにも某大型電器店に行ったついでに、話題の東芝ビデオデッキを見学に2階の売場まで足を伸ばしました。まずはカタログをと見ますと、あります、あります。現在7機種ある内の機能は4番目、中級機種ですね。売れ筋らしく売場にもたくさん箱入りで重ねてありました。22,800円と値段も手頃です。繁々と眺めていると店員さんが寄ってきて
 「この機種、映りいいんスよ」だって。
 「これって、今インターネットで話題のヤツでしょ」
 「はぁ?やっぱインターネットでも話題っスか、ホント映りいいから」
 「いや、ノイズが出るって・・・」
 「東芝はこの上の機種もいいんスよ」
 「東芝のことは今日の新聞にもでてるけど・・・」
 「はぁ?」
 ちっともかみ合わない会話で早々に退散してきました。店員さんは事件をご存知ないようです。それにしてもカタログ表紙にある「キレイが凄い、アリーナ」の文字が空しいですね。私も東芝製のビデオデッキ2台持ってますが、ケチって最低ランクの機種を買ったのが幸いしてか今のところちゃんと動いてます。もっとも私はニブイから少しぐらいノイズが入っても気がつかないかも。

ところで録音

  しかしあの「アフターサービスについて」のサイトの作者はずいぶんとタイミングのいい場面を録音したものです。あんな動かぬ証拠があってはどんな言い訳も通りません。短期間で何百万というアクセスも、あの録音にあるんでしょう。それを聞くためのプラグインRealPlayerの普及にも一役かったかもしれません。
  でも、どうやってあんな風にすばやく録音できたんだろうかと考てみましたが、それほど難しいことでもないようです。近頃の電話には留守番機能が付いているものが多く、そういう機種は通話中にボタンを押すだけで簡単に録音できてしまうのです。
  「そうだ、ウチの電話にも留守番機能が付いてたはずだ」と思い出しました。
  我が家の電話といのは、数年前に某電話会社のサービスに加入したときの景品なのですが、これがスグレモノで各種機能が付いてるなかに留守番機能もついているのです。これまでこの留守番機能を使ったことはなかったのですが、確か電話機に小さなカセットテープが入っていたはずです。さっそく取扱説明書を出してきて読んでみますと、あります、あります。

 [録音機能] 通話中に、相手との大切な通話内容を録音できます。(百舌花、注:大切な暴言?)
  ●受話器を上げたまま“通録”ボタンを2秒押します。(百舌花、注:今度ためそっ!)
  ●“停止”ボタンを押すと通話録音を停止します。(百舌花、注:当たり前だけど親切な説明!)
  ■通話録音は、最大15分です。(充分充分!あの暴言だって5分だもんね)

  さっそくどっかに電話して録音してみたくなりましたが、今のところ別に苦情もありません。残念だけど次に巻き起こるであろう商品トラブルを楽しみにして待つことにしましょう。っとテーブルの上の煎餅の包みにゴキブリでも入ってないかと探す私です。
  幸か不幸か、今回は煎餅にゴキブリが入ってるということもなく(火の章・ゴキブリ君の微笑:参照)「つまんねーの」と思いながら、つらつらとクダンの説明書をめくっていきました。[留守番機能]のあたりを読んでみると操作はワリに簡単です。受話器を置いたまま応答ボタンを押して電話機に向かってしゃべるだけです。
  「ヒマだから何かいれてみるべーか」と思い読み進むと親切に例文もでています。景品でもらった電話といえども侮れません。

  ■応答メッセージ例
   「はい、××です。ただいま外出しておりますので、ピーという音の後にご用件をお願いします」

  さらに読み進むと[居留守モニター]という項目があります。

 [居留守モニター] 在宅中に相手の声を確かめてから、電話にでるかどうか選ぶことができます。いたずら電話の防止に便利です。
  ●留守番セットしてある電話機が応答すると、相手の声がスピーカーから聞こえてきます。
  ●お話したい相手であれば、受話器をとり、電話にでます。

  「おぉ、意外に簡単じゃねーか」と富士通のテレビコマーシャルの高倉健ふうにつぶやくと、是非とも試してみたくなったのでした。

  まずは文章です。これはやっぱり例文のように短く簡潔でなければならないでしょう。とりあえずの目的は居留守で使うわけですが「ただいま外出しております」と言ってしまっては嘘をつくことになります。私はこれでけっこう方便としてよく嘘はつくのですが、それでも毎回毎回、世間様に申し訳ないという懺悔の気持ちを抱きながら遠慮がちについているのです。テープにで嘘を録音してしまっては東芝の轍を踏むことにもなりかねません。ここのところは正直に、しかし目立たぬように居留守であることを明示しなければなりますまい。後で揚げ足をとられないためにも。
  さらに「お話したい相手であれば、受話器をとり」といっても私にかかってくる電話のほとんどはお話したくない相手です。例文のように「ピーという音の後にご用件をお願いします」っていっても用件なんか聞きたくもありません。どうせロクな用件でもないにきまってます。
  この2点を勘案し、30分かけて練りに練ったメッセージが次の文章です。

  ハイ ××です。ただいま留守か又は居留守にしております。本当に重要な用件がある方はピーっという音の後にメッセージをお入れください。

  なかなかの名文でしょ。「ピーっという音の後に」というのは当たり前で「ピーっという音の前ではダメです」とも入れたかったのですが時間的な制約から割愛して、総合的かつ客観的に評価すれば、簡単明瞭、要点を押さえてあって嘘がない。「本当に重要な用件」という言葉には威厳さえ感じられるのではないでしょうか。これで無駄な話を聞かなくてもすむし、相手が無駄な通信費を浪費しなくてもすみます。
  さっそく録音です。電話機の側にCDラジカセを置き我が家の数少ないCDライブラリーの中から慎重に選曲した結果、BGMはハートカクテルの挿入曲に決定。ラジカセと電話のボタンを同時に押してレコーディング開始。1度目はとちってNGだったものの、2度目は音楽もアナウンスも時間ぴったりでOK!です。
  これを家族に聞かせると、ことのほか評判が悪くブーイングの嵐。特に娘は「友達からかかってきたら恥ずかしいからやめてっ!」と主張。なかなか私の作品を理解しようとしません。
  「何を言うか。だいたいおまえ達の成績が悪いもんだから、それを察知した塾や家庭教師、教材の会社から『あれしろ、これ買え』のとうるさい電話勧誘がくるんじゃないか。友達からの電話ったってどうせロクな用事じゃあないだろ。『本当に重要な用件がある方はメッセージを』って言ってんだ。やましいことがなけりゃあ話せばいいんだ。くやしかったら百点のひとつもとってみろってんだ」と、実に男らしく、ちびまるこちゃんのお父さん風に啖呵をきったのでした。カッコイイー!
  その後、留守録をセットしてワクワクしながら電話がかかってくるのを待ったのですが、こんな時に限ってちっともかかってきません。遂にしびれをきらして自分で自分に電話をしてみました。(我が家はISDNなので2回線使えるのです)すると4回呼出音が鳴ったのち、カチャンとつながりハーとカクテルの曲に続いて私の美声。おぉ、聞こえる聞こえる。「こんばんは、この度あなたに100万円が当たりました。おめでとうございます」などと埒も無いメッセージを入れて、切った後さっそく再生してみますとバッチグーです。「ばっかみたい」という娘の冷たいコメントも意に介さず、その日は満足して酒を飲んで深い眠りにつきまた。シアワセ。

そして翌日の午後・・・・

  机の引出しに忘れてきたアドレス帳の住所を見てもらおうと、私は会社から家に電話を入れました。すると聞き覚えのある音楽と声。ハートカクテルの曲に私自身の声です。昨日、留守録をセットして、そのままだったのです。しかたなくピーっという音の後に「おい、俺だ、俺!誰かいないのか!おい!・・・?」 だあれも出ません。
  その後30分ごとに3回電話して全部この繰り返しで埒があかず、何度も自分の声を聞いてさすがの私もアホらしくなってしまい遂にあきらめました。
  帰宅して「今日何回も電話したのに誰もいなかったのか?」というと、顔はテレビを向けたままの娘が
  「なんか『オレ』って言う人から何回も電話あったみたいだけどよく知らな〜い、フフフ・・」と言うのでした。
  グヤジー!!


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